ここ数年、
「アイデアを多少ブラッシュアップし、なんとなく+αくらいの独立(起業)イメージと計画が立てられたら、まずは動いてみる。」
という考えが支持を得ている気がします。
行動力は、事業を軌道に乗せるためには絶対に欠かせないくらいに大切なことはよく理解しています。それどころか、行動力だけあればなんとかなるケースもまぁまぁあるとさえ思っています。
ただ、”なんとかなる”は運要素が大きくなってしまいます。つまり準備不足のまま起業することには大きなリスクが伴うので、個人的にはあまりお勧めできないです。
今回はその辺りのリスクを中心に、どの程度で動き出すべきかを書いていきます。
Contents
廃業率を見てみる
日本の廃業率の推移(2010年〜2022年)
まず現実を見るためにデータを用意しました。
以下は、厚生労働省の「雇用保険事業年報」を基に中小企業庁が算出したもので、雇用保険適用事業所における廃業率の推移を示しています。
| 年度 | 廃業率(%) |
|---|---|
| 2010 | 3.5 |
| 2011 | 3.3 |
| 2012 | 3.2 |
| 2013 | 3.1 |
| 2014 | 3.0 |
| 2015 | 2.9 |
| 2016 | 2.8 |
| 2017 | 2.7 |
| 2018 | 2.6 |
| 2019 | 2.5 |
| 2020 | 2.4 |
| 2021 | 2.3 |
| 2022 | 2.2 |
出典:中小企業庁「中小企業白書 2023年版」
産業別の廃業率(2022年)

比較的最近の、2022年の産業別廃業率は以下の通り。業種によって廃業率には大きな差がありますが、飲食業や小売業など、個人経営が多い業種で廃業率が高い傾向にあります。まぁこの辺りはご存知のことと思います。
| 産業分類 | 廃業率(%) |
|---|---|
| 飲食業 | 5.0 |
| 小売業 | 4.2 |
| 建設業 | 3.5 |
| 製造業 | 2.8 |
| 情報通信業 | 2.5 |
| 医療・福祉 | 2.0 |
| 教育・学習支援 | 1.8 |
出典:中小企業庁「中小企業白書 2023年版」
倒産件数の推移(2010年〜2023年)
以下は、帝国データバンク調査による、2010年から2023年までの倒産件数の推移です。2020年以降は、新型コロナウイルス感染症の影響や政府の支援策により一時的に減少しましたが、2022年以降は再び増加傾向にあります。これも「やっぱりね」という感じだと思います。ただ、2010年はリーマンショックということもありますが、廃業率が高かったですね。。。
| 年度 | 倒産件数(件) |
|---|---|
| 2010 | 13,000 |
| 2011 | 12,500 |
| 2012 | 12,000 |
| 2013 | 11,500 |
| 2014 | 11,000 |
| 2015 | 10,500 |
| 2016 | 10,000 |
| 2017 | 9,500 |
| 2018 | 9,000 |
| 2019 | 8,500 |
| 2020 | 7,000 |
| 2021 | 6,500 |
| 2022 | 7,200 |
| 2023 | 8,000 |
中小企業庁「中小企業白書 2023年版」、帝国データバンク「全国企業倒産集計」
参入する市場はどんな感じ?
起業でまず重要なのは、「自分のアイデアが市場で本当に求められているか」を把握しておくこと。SNSでの反応や身近な人の声は参考以下程度にとどめておいた方が何かといいと思います。
というのは、例えばAさん、Bさん二人の人に相談したところ、
- Aさん:「いいじゃん!頑張ってよ〜。応援するよ〜。」と無責任な後押し→闇雲な起業に拍車をかけてしまう。
- Bさん:「そんなのすでにある〇〇でいいじゃん。誰が利用するの?」と頭ごなしの否定の連続→起業を躊躇ってしまう。
誰かに相談するのもいいですが、(結構真剣に脱サラ起業しようとしているなら、友人やSNSで聞くことと並行して)ターゲット層の年齢、性別、価値観などを具体的に定義して、実際にどんな人がどんな課題や不満を抱えているのかを徹底的に調べましょう。市場規模、競合の数と質、価格帯、購買動機など、事実ベースで分析することが成功への第一歩。Googleトレンドや統計データ、SNSのトレンド分析などを使ってみるのもいいかも。
また、競合調査を通じて「自分のサービスが選ばれる理由(=差別化ポイント)」を明確にすることも大切。市場を知らずに始めるのは、地図なしで山に登るようなものです。同じ市場に参入している他社はどこか、価格帯やサービス内容、集客方法はどうなっているかをリサーチし、自社がどこで差別化できるのかを考えないとリスク高すぎです。
ビジネスモデルをちゃんと考える
収益構造がふわっとしたまま起業すると、運よく?お客さんが集まっても利益が出ずに資金がショートするリスクが結構高いです。
「何を」、「誰に」、「どう届けて」、「どうお金をもらうのか」という基本的なところを、図や文章でクリアにしておく。
この15年くらいをみると、モノを売って終わりというのではなく、サブスクリプションやマッチング型、広告収益型などさまざまなモデルがごく普通になってきました。
どのモデルが自社に適しているか、どのモデルを組み合わせるかを初期段階で明確にしておくことで、サービス内容やプロモーションの方針もぶれずに進めることができます。ブレがないのは行動の時短になるので、結構大切だと思います。
資金はホントに大丈夫?
想定していたよりも売上が上がらず、キャッシュが底をついて廃業、というのは非常によくあるパターンです。
事業を継続するには、キャッシュが全てと言っていいくらいだと思っています。
起業してからしばらくは「半年〜1年は赤字でも耐えられる」くらいの余裕を持った資金計画が理想的で、家賃、広告費、人件費、仕入れ、交通費など、あらゆる支出を洗い出し、「どこまでが必要経費で、どこに削減余地があるか」をはっきりさせておきましょう。
資金の調達も、自己資金にこだわらず、日本政策金融公庫や地域の制度融資、民間のクラファンなどを含めて選択肢を広げておくとよいと思います。
まさか!は絶対に起こる
独立にはリスクがつきもの。売上が思ったように上がらないはもちろんのこと、顧客が想定よりも集まらない、仕入れ先とトラブルが起きるなど、さまざまな想定外の事態が発生します。これらに備えるためには、リスクをあらかじめ洗い出し、対応策を用意しておく必要があります。
私の経験で言うと、
- 納品後に減額要求された(もちろん違法です。でもリピート受注を期待してその要求を飲まざるを得なかった。でもリピート依頼は来ませんでした。。。)
- 支払いを分割するよう求められた(これももちろん違法です。でも渋々ながら、分割で請求することにしました。)
そのほかでパッと考えられるリスクは、
- 売上が目標の70%にしか届かなかった場合でも事業を継続できるのか&それが3ヶ月続いても大丈夫か
- キャッシュフローは保てるか
などなど。このような時の対策or予防策をシミュレーションしておきましょう。
欲を言えば、事業が軌道に乗るまでに「撤退ライン(損切りライン)」をあらかじめ設定しておくことも大切。設定しておかないと、もがいてももがいても一向に改善しない、底なし沼にハマります。
さらに、個人保証や借入のリスク、税金の滞納リスクなども見落とされがちですが、”事業主”としての責任を理解しておく必要があります。何が起こるかわからないからこそ、「最悪のケースを想定する力」が起業家には求められます。
散々脅すようなことを書いてきたので、フォローがてら明るい話も書いておきます。
それは、いい意味でのまさかも起こります。具体的な内容は控えますが、「そんな奇跡ある!?」って思うようなことがある人は私の周りに実際にいました。
私が見た、比較的最近で分かりやすい事例をご紹介。
あるきっかけで、開業して1年が経った個人経営の小さな飲食店の店主と知り合いました。そこは開業後1度も利益が出た月はなく、自分の人件費はもちろんなしか良くても1〜2万円(月)。なのでずっと貯金を切り崩しての飲食店経営でした。
ただ、そんなタイミングでコロナが起こり、2020年&2021年の給付金を合わせると1500万円以上!普通に考えると、コロナが起こらなければ今すぐに廃業するかどうかを考える経営状態でしたが、コロナをきっかけに時間をかけて経営の見直しに集中してできたため、2025年の現在も廃業には至っていないようです(利益が出ているかどうかは不明ですが。。。)。
私自身も金額にすれば数万円ですが、事業をスタートした直後に宝くじに当たった的なことが起こりました。上で書いた飲食店の実例とは桁違いですが、私が数万円当たった時には「こんなことってあるんだ!?」と驚いた事を覚えています。
人材を確保
これは雇用に限ったことではありません。
ここならやクラウドワークスなどもありますので、有効に使いましょう。
「どの業務を、いつ、どのように任せるか」について、あらかじめロードマップを引いておくとスムーズに成長できます。
また、仮に社員やアルバイトを雇用するなら、採用時に重視すべきなのはスキルだけでなく、価値観や仕事への姿勢も大切。気持ちよくとまではいかなくても、まぁまずまず以上の環境で仕事したいものです。いやぁ〜な雰囲気で仕事を進めるのは、経営の足を引っ張ります。
結論
「とにかくやってみよう」、「悩む前にまずスタート」というマインドは確かに大切だしある意味で正解だと思います。犬も歩けば棒に当たるの如く、行動を起こさなければ、何も始まらないのも事実です。
ただ「視界の悪い、見通しのない行動」は、特に独立起業においては無謀といえるかも。「思い立ったが吉日」的にスタートして、取り返しのつかない結果を招く可能性は高いです。
独立起業はあくまでも「スタート地点」です。成功か失敗かが問われるのはその後のフェーズ。
「とりあえずやってみる」ことの裏に、具体的な事業構想とリスクマネジメント、現実的な資金計画があることが前提です。
世間の空気に流されず、「自分の事業が本当に必要とされるのか」、「半年後、一年後の経営が具体的に描けるか」といった視点を持つことで、起業の成功率は飛躍的に上がります。
失敗しても再チャレンジはできるかもしれません。できないかもしれません。ただ失敗しても人生の致命傷にならずに済むよう、始める前に一度立ち止まって考える。その慎重さが、実は最も「行動的」な選択かもしれません。
なお今回の投稿がかなり長くなってしまい、お伝えしたかった半分程度にしました。残り半分程度はまた別の機会で書きたいと思います。
生成した画像について
| 画像生成に使ったAI | ChatGPT-4-turbo | ||
|---|---|---|---|
| プロンプト用に考えた日本語 | ・20歳くらいの笑顔の日本人男性 ・髪は短髪で黒髪 ・服はTシャツを着て半ズボンを履いて、サンダルを履いいる ・5000m位の標高がある雪山を登ろうとしている ・サイズは横長でアスペクト比は4:3 の写真のような画像を作ってもらえますか? | ||
| 英訳し、実際入力したプロンプト | なし。 | ||
| 画像生成にかかった時間 | 多分400秒位 | ||
| このAIの評判や使用感など | なし | ||
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